チェコ・48時間走インドアレース
大会名:SPORT Life BRNO 48 HOUR INDOOR 2005 CZECH REPUBLIC
開催日:2005.03.18-20 48時間走:18日AM10:00 Start 20日AM10:00 Finish
<特 徴>
・室内250m 4時間毎に走り方を反転する
・チャンピオンチップを利用し、1周すると電光掲示板に即座に周回数、走行距離、順位などが表示される
・エイドには食べ物、飲み物が豊富でバラエティーに富んでいる
・マッサージやドクターがいつでも待機している
・室内のため暖房がきいている、外は寒い
・トイレがきれい、シャワー室もある(落ち着く)
・2レーンあり、インコースに48時間走、アウトコースではサブイベントを行っている。リレー、6時間走・12時間走など。
<完走記>
2005.3.16-22で、ヨーロッパはチェコで行われた48時間走インドアレースに参加してきました。
48時間走は3度目の挑戦で、過去二回は自分の力を発揮出来ず、撃沈されてしまったっと言っても過言ではないでしょう。
今回参加にあたって自分なりに目標を決めました。
1.周りのペースに惑わされず、自分のペースで走る。(5分45秒から6分/km)
2.出来るだけ休まず走れるところまで走る。
3.自己記録更新、317km以上 400km超え
〔目標を達成するために行ったこと(練習)〕
このレースの為に1月1日から練習を開始しました。特に変わった練習をしたつもりはないが、ポイントとしてロング走
50kmを3本入れました。これは青梅マラソンコースを利用し、河辺体育館前から奥多摩駅の先まで行き、折り返してくる コースを走りました。
参考までに、練習日誌:1月・2月・3月
レースまでの3ヶ月、途中仕事で走れない時期もあったり、走り込み時期で滅茶苦茶疲れていたりと、今思えば良い思い出になりますね。
1月に700km台、2月に600kmと走りこんだとは言え、少ない方だと思います。自分の今までの練習量からしても少ない方で、走った時は月間1000kmなんて時もありましたからね。それが疲れも残らず、良い状態でキープ出来たのかも知れませんね。
オフィシャルエイド・チョコが美味しかったかな
2Fから見たエイド、簡易ベットも一人一つあり
〔レース中の食べ物について〕
日本から、用意して持っていったもの。
・ご飯(お湯の中に入れて暖めるもの)×3・カレー×3・乾燥梅干・ガム(眠気対策)・飴・エネルギーゼリーなど
・レース5日前から使用して、レース中は3時間に2カプセルとりました、{サプリメント(OVER drive)}
・2日前から多めにとり、やはり3時間毎に1袋使用の{アミノバイタルPro3600mg}
はじめての試みだったですけど、走っていて全く疲れず、眠くならず、本当に調子良かったです。今までに無い走りが出来ました。
〔シューズについて〕
サッカニー(SAUCONY) Grid Fastwitch Endurance を2足用意して、1足は普段練習でも使用し、また、アテネのパラリンピックにも使用したものを持参、スタートから26時間まで走った。前半の好調な走りを作り出してくれた。取り替えるときに、「お疲れ様、ありがとうとキスをして置いた」。2足目は12kmしか走っていないものを持参。バリバリクッションもきいて、ぶれることなくかかとをしっかりサポートしてくれている。後半のここぞと言う時の走りに貢献してくれた。コースは下がコンクリートで、円形のコース、コーナーがキツイ。足への負担は相当なもので、最後に膝を痛めたときには普段では痛めない箇所だったので驚きました。
シューズの中に入れる中敷き(Super feet:スーパーフィート)も最高の武器になりましたね。フォームが崩れることなく、綺麗な走りが出来たと思います。後半足を痛めバランスが崩れましたが、復活した時はいつものフォームに戻っていました。
〔ウェアについて〕
チームJAPANのTシャツとハーフタイツを使用、夜は長袖とロングタイツを使用しました。(CW-X&アートスポーツ)
インドアで更に暖房が入っているので、走っている分には温かい。人の出入りでドアが開くと、冷たい空気が入ってきて外の寒さを感じることが出来ました。
失敗といえば、ハーフタイツの下にインナーパンツを穿いたのですが、何も塗らずに穿いたので股ずれになり、後半はヒリヒリと痛く、悲惨な思いをしました。
鐘によるスタート 掲示板、周回すると結果がすぐに出る
〔スタート〕
18日朝10:00、レースディレクターのTomas Rusekさんの鐘の音とともにスタートです。いきなりゼッケン1番の人が猛ダッシュ、なぜ?まっ2周もしないうちにペースダウンしたのは、一目見ればわかるかな!?スタート前、妙に体調が良いので、ウォーミングアップして、体操して、早く走りたくてうずうずしていました。こんな気持ちになったのも初めてかな?スタートしてからも自分の決めたペースを守ろうとそれだけに集中して、一周250mの世界に入り込んでしまいました。1kmを6分で走るには、一周250mを1分30秒あれば良いのです。それを1分25秒前後で走り出しているのですが、何人ものランナーが追い抜いていくのです、いつもの私ならそのペースにしっかり付いて、後半疲れてペースダウンって言うのがいつものパターンである。今回は耐えました。付けば付けるのに、「あと何時間あるのだから・・・」と、思うようにして堪えました。最高で1時間に11km丁度、250mを44周走ることが出来ました。それ以上早く走ると、後半走れなくなることは、今までのレースで充分わかっているつもりです。
スタートから16時間まで、1時間で10kmペースをキープ、それでも全く疲れが無く、途中トイレに行ってもすぐコースに復活出来ました。
国別エイド
〔シューズ交換〕
初めてトイレに行った後(大のほう)、続けて個人エイドに立ち寄り、自分のバッグに近づいたのが26時間経ってからだ。ついでにシューズを交換しようと思い、休憩もとることにした。この1時間が4kmだった。やはり新しいシューズは履き心地が違う。すぐに元のペースに戻り、1時間で9kmペースに3時間は走っただろうか?異変が・・・。
〔足が・・・〕
30時間を越えたころ、トイレの帰りに妙に足が重い。筋肉痛、太ももに張りを感じ、すぐにサポートの高田さんにお願いし、体を簡易ベッドの上に仰向けになり、足を振ってもらって復活。気持ちいいー。足は張っているが、まだ睡魔がこない。調子良いのか?その後2時間以上復活して走る事が出来ました。そして、最初の睡魔が・・・。
〔睡魔がいよいよ〕
33時間が経過し、トイレのあと高田さんに「10分間寝かせてください」と、告げて睡眠に付く。簡易ベットに靴を履いたままでの睡眠となる。時間が経ちスッキリした気持ちで走り出した、走れるもんだ。たったの10分だと思うが、気持ちよく目が覚め、体が良く動いたし眠気もとれた。張りのある体が、今度は筋肉痛に、いつもと痛みも違うような気がしてきた。
〔マッサージ〕
大会側のスタッフとしてマッサージがあった、すかさず高田さんに空いているのを見てきてもらい、マッサージに行くことに。36時間経ってからの出来事です。マッサージしてくれるのは女性、見ただけでも逞しいし、パワーもありそうだ。下半身をオイルを塗ってのマッサージ、思っていたより力を出さず、気持ち良いくらいのマッサージである。5分以上してもらっただろうか?すぐに、コースへ戻り走り出した。また1時間程してきつくなり、再度マッサージ室を訪問する羽目になった。足に大分きている。でもあまり眠くは無い。
〔疲れがピークに〕
いよいよ足が危ない、歩き出し、睡魔も襲ってきた。38時間経ってからの出来事。歩いては、エイドに立ち寄り、また歩いては立ち寄り、前に進むしかない。まだ10時間あるのに、「このままだといつもと同じだ」と思い、思い切って痛み止めを飲むことに。すぐに効くはずが無いのはわかっているけど、待てない、もう一つと要求し飲むことに。エイドのイスに座って何度もサポートの高田さんに「辞めようか、どうしようかと問いかけてみた」。自分でも諦め切れない、もしこの状態で高田さんから最後の一言をもらっていたら、辞めていたに違いない。でも日本で応援してくれている人がたくさんいる、最後の力を振り絞り、涙を流しながら、痛い足を引きずりながら走り出した。少しずつだが、走れることを確認、出来る。
〔復活劇〕
39時間目が1時間6.75kmにまで復活して走れる。このまま休まず、残りの時間を走ることにした。40時間台で2位になっている、約10分差で350km走行している。相手はローラースケートを履かせた息子だろう?をサポートに付けこちらの様子を伺い、何か話しているようだ。ペースは8km以上に上がってきている。いける。1位のチェコの人のペースが落ちている。一気に追い抜き、独走状態に。
〔400km突破〕
夢に見た400kmの目標が現実的になってきた。46時間経っての出来事だった。46時間31分22秒、400km突破。会場アナウンスにも力が入っている。その裏返しに、自分の力は、達成感か抜けてきた。そばにいたA.Iさんに、どのくらい走れば良いのかと聞いた、「405kmは超えましょう」との事だった。それは日本人で、フランス在住の有田せいぎさんの持つ、48時間走の記録を更新とのことだ。残りの時間は、気持ちよくパンツやシャツを着替えてリフレッシュした体で走った。残り30分を切った頃だろう、2位・3位のチェコの人2人が一緒に走ろうとの事だ。お互い称えあい、最後の力を振り絞った。そしてどこからか、日の丸の国旗が届けられた。国旗を持ってのビクトリーランだ。気持ち良ーい。
〔フィニッシュ〕
48時間レースの終了、スタート直後は48時間先なんか全く気にしてなかったのに。皮肉なもんで、ゴールしてしまうと途中歩くまで落ち込んだ事さえも忘れてしまいます。でも暫く走らないと思います。あー疲れた。
皆さん、御声援本当にありがとうございました。
コーナーがキツイ ゴールは近い、2位・3位の人と
地元のTV取材を受けている 終わった直後の表彰式にて