WS(ウェスタンスティーツ)100マイルレース
以前、「ランナーズ誌」掲載の原文
「Western States Endurance Run」
今年6月24日~25日にかけてアメリカ・カリフォルニア州で行われた「第27回ウエスタンステーツエンデュランスラン」100マイルのトレイルレースに参加してきました。日本人は私達3名と、ニューヨーク在住の高橋さんの4名を含み385名選手が30時間内に100マイル先のゴールを目指し挑戦しました。
・ウエスタンステーツ(WS)とは?
1950年代後半のTevis Cup Horse Race が元になっている。カリフォルニア州にあるスコーバレー(Squaw Vallay)からシエラネバダ山脈(Sierra Nevada Mountains)を通りアーバン(Auburn)までのコースだった。1974年にGordy Ainsleighが馬のかわりにそのコースを走りその後何人かの選手がトライし1976年には国の認めるオフィシャルな大会になった。スタート地点のスコーバレーは1960年に第8回冬季オリンピックがアメリカで初めて開催された場所としても知られ、オリンピックバレーとも言われている。
・WSの特徴
1.標高の高い所でのアップダウンが多い
2.砂漠地帯、岩場、山道といろいろな地形を走る。
3.温度(スタート地点は10度前後、日中は40度近くまで上がる)
4.中盤にある3つのキャニオン(Canyon)の上りと下り
5.ナイトトレイルランニング
6.川渡り
7.エイドステーションが1区間すごく長い(平均8km前後)
8.ペーサー(Pace Runner)をつけられる
・コース
スコーバレー(Squaw Vallay)~ロビンソンフラット(Robinson Flat) 0~32.2miles
スコーバレー(1,889m)を5時にスタートし、一気に2,652mのEmigrant Pass山頂まで駆け上がる。その後は、アップダウンを何度も繰り返しながらロビンソンフラットを目指す。標高の高いところのアップダウンの繰り返しは身体に大きな負担がかかる、山道は狭く岩がゴロゴロし踏み外すと滑落しそうな場所もある。
ロビンソンフラット(Robinson Flat)~フォレストヒル(Foresthill) 32.2~62miles
ロビンソンフラットを過ぎると今度は砂漠地帯を走る。この頃になると気温は40度近くまで上昇し暑さとの戦いとなる。それに加えDeep Canyon、Deadwood Canyon、El Dorado Creek と、700m近く一気に下りまた500mを一気に登るところが3ヶ所あり更にランナーを苦しめる。
フォレストヒル(Foresthill)~アーバン(Auburn) 62~100.2miles
フォレストヒルまで疲れ切ってボロボロ状態でくると、後半の60kmはとてつもない時間がかかる。ここを過ぎた所からナイトトレイルランニングが始まる為ペイサー(Pace Runner)をつける事が出来る。ペーサーは後ろから走り、コースの誘導等をしてくれる。手持ちのライトだけをたよりに足場の悪いトレイルをどんどん下っていく、下りは楽に見えるが疲労のため着地がしっかりつけず足を捻る事が多い。下りきったあと約100mの川渡り、今年は増水していて胸下位までの深さで歩いて渡る。その後きついアップダウンを繰り返しながらゴールのアーバンを目指す。
・感想
制限時間は30時間だが、24時間以内だと色の違うメダルとバックルをもらえる。24時間以内に走る事が参加ランナーの最大の目標でもある。今回は、65名のランナーが24時間以内ゴールをしました。総じてこのレースはマウンテンランニングであり、私達ロードランナーにとっては柔軟に走る事が難しくかなり悪戦苦闘しました。今後参加される方は、そのへんの所をふまえ練習してからトライして下さい。
・日本人参加者4名の結果
沖山健司 20時間56分02秒 (総合15位)
関家良一 21時間31分35秒 (総合21位)
沖山裕子 23時間54分17秒 (総合64位 、女子の部 9位)
高橋香 29時間03分19秒 (総合167位)
[データ]
*参加者 385名 / 完走者 222名
*エントリー方法-7月頃から10月頃まで受付けて、11月末に抽選があり、外国人枠は10名程度と聞いています。
*会場までの交通手段がないためレンタカーを借りる必要があり、今回はゴール地点にも前日にレンタカーを置いときました。
*参加賞-Tシャツ2枚、ボトル、バッグ(ノースフェース)、スポーツバー、シャンプー、リンス。
*完走賞-バックル、メダル、帽子、長袖Tシャツ。
*レース2日前にトレッキングで最高地点Emigrant Pass へ、山頂でコース説明や歴史の話など。
*レース前日にメディカルチェック、体重・血圧・脈拍を測る。それをリストバンドに書きレースが終わるまで外せない。
*エイドスティーションが24ヶ所あり、9ヶ所で体重測定、10ヶ所Drop Bag を置く事が出来る。
*エイドスティーションの飲み物、食べ物は充実している。氷も用意してあり自分のボトルにも入れてくれる。
*今回の費用-飛行機代、ホテル代、その他で15万円位。
完走するともらえる、バックル